桜

地域に貢献し、世界へ羽ばたく大学を目指して
 ―「共創」と「連携」による本学のさらなる飛躍へ― 

令和8(2026)年4月1日付で、上本伸二前学長の後任として滋賀医科大学の学長に就任いたしました。これまで築き上げてきた歴史と伝統を踏まえて、本学のさらなる発展に教職員・学生の皆さんとともに取り組んでまいりたいと思います。

滋賀医科大学は昭和49(1974)年に設立された単科の医科大学で、医学科、看護学科、大学院生を合わせて、約1,000名の学生が学んでいます。本学の理念は、「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学として、医学・看護学の発展と人類の健康増進に寄与すること」であり、滋賀県で働く医師・看護師を育成し、地域医療に貢献するとともに、「世界に羽ばたく大学」とあるように、特色ある研究成果を世界に発信し、国際的に活用する人材を育成することを使命としています。この理念を実現するためには、社会に開かれた大学として、大学内に人、企業、自治体、資金などを外部から呼び込み、共に教育・研究を行う共創の場をつくることと、地域の医療機関や国内外の大学や研究機関と協力して、教育・研究を行う連携が重要です。私はこの「共創」と「連携」をkey wordsにして、本学の更なる発展を目指したいと考えています。

地域医療への貢献においては、滋賀県で働く医師・看護師の養成と地域の病院への医師派遣とともに、滋賀県における医療の最後の砦として、附属病院での高度医療の実践に努めています。令和8(2026)年4月には、医学部附属病院に高度救命救急センターの設置を視野に、E棟を開設しました。ここでは、最先端の救急・集中治療設備、内視鏡設備、がんの放射線治療設備を備え、高度医療を実践しています。

世界に羽ばたく人材の育成では、医学科第3学年の夏に実施している海外自主研修や、看護学科におけるマレーシア国民大学(UKM)との学生の相互派遣などの取り組みを行っており、学部学生の時代から、グローバルな視野を身につけることを期待しています。また、令和7(2025)年に大学院医学系研究科博士課程に、マレーシア国民大学とのジョイント・ディグリー・プログラム(JDP)「国際連携エイジングサイエンス専攻」(1学年の定員2名)を設置し、同年10月に第1期生として2名の大学院生が入学しました。さらに看護学専攻博士後期課程にも「グローバル連携看護学領域」を新設し、大学院の国際化を進めています。

研究においては、サルを用いた医学研究、神経難病研究、NCD疫学研究、先端がん研究など、本学の特色ある研究成果を世界に発信するとともに、優れた研究成果を実用化することを目指しています。研究成果の世界への発信の例では、3つの取り組みをご紹介します。

まず第1の取り組みは、京都大学を代表校とする「ヒト生物学高等研究拠点」です。本学はそのサテライト研究拠点として、他に類を見ない遺伝子改変カニクイザルを用いた研究を推進しています。

第2の取り組みは、ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業です。本学はサポート機関として参画し、我が国のワクチン開発研究に貢献しています。

第3の取り組みは、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」です。本学は、NCD疫学研究センターが中心となって立命館大学が代表校である「身体圏研究」に連携大学として参画し、採択されました。令和8年度から5年間の計画で、立命館大学等と連携し、本学の研究力強化を進めていく計画です。

また、本学は令和5(2023)年に国籍・性別・年齢・専門分野にとらわれない多彩な人材を結集し、独創的な研究を行う「創発的研究センター」を設置しました。そこで共同研究先の企業とともに開発された先導駆動型カテーテルは、多くの病院で使用され、令和7(2025)年4月に開催されたMedtec Japan 2025にてイノベーション大賞を受賞する等の成果が出ています。今後とも、特色ある研究成果を世界に発信するとともに、優れた研究成果を実用化することを目指していきます。 

滋賀医科大学の豊かな歴史と伝統を継承しながら、すべての教職員と学生が誇りを持って前向きに挑戦できるキャンパスの実現に邁進してまいります。 

令和8(2026)年4月1日 
国立大学法人滋賀医科大学長 遠山 育夫

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