教育目標
大学院医学系研究科医学専攻博士課程では、本学の使命のもと、高度な知識と技術をもつ専門家を養成し、教育・研究・実践の場で高度な専門性とリーダーシップを発揮し、豊かな学識に基づいた広い視野を持って、自立して活動することにより、次のような能力を備えた人材育成を目指しています。
高度な教養と倫理観
先端的な医学研究を推進するために必要な豊かな教養と確固たる倫理観を醸成し、科学的探究心を養成する。
高度な専門性とリーダーシップ
高度な医学研究に関する高い専門的知識や技能と、教育・研究・実践の場で発揮できるリーダーシップを養成する。
独創性と国際性
自らの構想による独創的な研究を推進し、国際的な視野を持ち、世界に向けて研究成果を発信できる能力を養成する。
社会への貢献
優れた医師や医療従事者を育成する教育活動を実施する能力や、医学の進歩と社会福祉の向上に寄与し、地域医療に貢献することができる能力を養成する。
カリキュラムの特徴
医学専攻博士課程は、本学の研究実績と先進的な研究分野を組み入れ、各研究領域を横断した総合的な教育・研究体制に編成し、地域の要請に応えるとともに、他分野との学際的な人材育成にも対応できるように、1専攻4コース並びに「がん専門医療人養成コース」「地域で活躍する法医臨床医・法歯科医養成コース」により構成されている。
医学専攻博士課程では、従来の講座主導型の研究指導体制から離れ、また、基礎と臨床にとらわれることなく、教員が相互に緊密な連絡をはかりながら、それぞれの専門研究を通して大学院学生の教育と研究を支援し、独創的な研究の育成をはかる。
医学専攻博士課程の第1~2学年では全コースの共通科目を設け、研究に必要な基礎的知識と統計、分析、技能を修得するとともに医学倫理、研究倫理について学ぶ。また、コース毎に研究の進展に必要な科目を選択とし、研究者個人の独創性を重視し、優れた研究成果がえられるよう工夫している。
※「がん専門医療人養成コース」については、特色ある教育プログラムを参照。
大学院医学系研究科医学専攻博士課程の三つのポリシー(方針)
滋賀医科大学では、その理念・使命に基づき、育成するべき人材像を明確化し、それに必要な教育課程を編成し、体系的・組織的に教育を行うとともに、その教育を受けるに相応しい学生を入学者として選抜することにより、その使命を果たす。
大学院医学系研究科医学専攻博士課程における、課程の修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)及び入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)を以下に示す。
課程の修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
大学院医学系研究科医学専攻博士課程においては、教育目標に定める人材を育成するため、所定の期間在学し、必要な単位を修得のうえ、審査及び試験に合格し、次のとおり優れた知識と能力を身につけた学生に学位(医学専攻:博士(医学))を授与します。
1.医学研究者として必要な専門的知識と研究技術を身につけている。
2.医学倫理、生命倫理、研究倫理についての十分な知識と倫理観を身につけている。
3.自立して研究を推進し、世界に向けて研究成果を発信することができる。
4.医学研究や医療の推進を通じて社会に貢献することができる。
5.これに加え、コース毎に下記の能力を有することを修了の要件とする。
(1)先端医学研究者コースでは、最先端の専門的知識を持ち、産官学におけるリーダーとして国際的に活躍できる。
(2)高度医療人コースでは、専門医としてふさわしい知識と医療技術を持ち、医療現場でリーダーとして活躍できる。
(3)学際的医療人コースでは、医学と他分野を融合する学際的知識と研究能力を備えている。
(4)NCD疫学リーダーコースでは、疫学・臨床疫学の研究能力と産官学の分野でリーダーとなる現場力を持ち、英語に習熟し
国際人として活躍できる。
教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
大学院医学系研究科医学専攻博士課程では、ディプロマ・ポリシーに定める高度な知識・技術・能力を修得するため、次のとおり教育課程を編成します。
1. 教育課程の編成の方針
共通科目(またはコア領域)では、医学研究者として必要な専門的知識と研究技術を修得するとともに、医学倫理、生命倫理、
研究倫理についての十分な知識と倫理観を修得する。
選択科目では、各専門領域における研究分野の講義、演習、実習により、最先端の知識と研究技術を修得し、自立して研究を遂行できる
能力を養成する。
2.教育課程における教育・学修方法に関する方針
(1)1専攻4コースとすることで、すべての大学院担当教員による横断的で有機的な教育・研究指導体制とする。また、複数指導教員制とする。
(2)先端医学研究者コース・高度医療人コース及び学際的医療人コースには、共通科目と選択科目をおく。
共通科目としては以下の授業科目を学修する。
①医学総合特論及びテクニカルセミナーでは、医学研究者として必要な専門的知識と研究技術を修得する。
②医学生命倫理学概論では、医学倫理、生命倫理、研究倫理についての十分な知識と倫理観を修得する。
③疫学・医療統計学概論では、医学研究にとって必要な疫学・統計学の知識を修得する。
④基礎と臨床の融合セミナーでは、基礎と臨床の枠を越えた知識と考え方を学ぶ。
選択科目では、各専門領域の最先端の知識と研究技術を学修し、自立して研究を遂行できる能力を修得する。
(3)各コース毎に下記の特色あるコース科目を設ける。
①先端医学研究者コースでは、先端的で特色ある研究に触れる機会を設けるとともに、研究倫理の基礎や最先端の研究技法を修得し、
自立して研究を遂行できる能力を修得する。
②高度医療人コースでは、臨床研究に重点を置き、医療倫理学や法制学を学び、医療現場でリーダーとして活躍できる能力を育成する。
さらに専門医としてふさわしい医療技術を修得させ、専門医の資格取得を支援する。
③学際的医療人コースでは、医学に加え工学や理学等、学際的な知識と研究方法を教授し、産学連携の場で活躍できる能力を修得する。
④NCD疫学リーダーコースでは、非感染性疾患(NCD)の疫学・臨床疫学・公衆衛生を修得させ、NCD克服のために産官学の分野において
国際的に活躍するリーダーを養成する。科目は、コア領域、支援領域及び実習に分類される。実習には、学外でのインターンシップも含まれる。
3.学修成果の評価の方針
学修の成果は、シラバスに記載された学修目標について、試験及びレポート等、多面的な評価方法により到達状況を客観的に評価する。
研究の進捗状況については、第3学年にポスター発表による研究基礎力試験(QE)を行い評価し、研究指導計画書の点検を行う。
学位論文の審査は、厳格性と透明性を確保するために公開で行い、知識、能力、発展性等について評価する。
入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
求める学生像
本学の理念に基づき、優れた医学研究者や医療人となるのに必要な学識・能力・技能を修得する素養を持ち、高度な医学研究能力の修得に真摯に、また熱意を持って取り組む、次のような人材を求めている。
1.医学・医療・生命科学や、医学と他分野との融合領域において、科学の探究を通して医学・医療の
進歩・発展に寄与し、社会に貢献したいという意欲を持つ者
2.国際的視野を持ち、世界的に活躍しようという意欲ある者
3.生命に対する尊厳の気持ちを有し、確固たる倫理観を有する者
4.産官学の広い分野で、疾病克服のためのリーダーとして活躍しようという意欲のある者
入学者選抜の基本方針
先端医学研究者コース・高度医療人コース・学際的医療人コース
「医学・生命科学一般」の試験を実施する。
2.国際的視野と表現力を問う「外国語(英語)」の試験を実施する。
3.研究意欲、協調性、倫理観等を確認する面接試験を実施する。
NCD疫学リーダーコース
2.国際的視野と表現力を問う「外国語(英語)」の試験を実施する。
3.研究意欲、協調性、倫理観、語学力等を確認する英語による面接試験を実施する。
4.NCD克服に関する意欲、経験、語学力を確認する提出書類により評価する。