ハラスメントは、個人の尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為です。また、就学・就労における個人の能力の有効な発揮を妨げます。
本学は、教育・研究・診療の使命を担った就学・就労の場であり、あらゆる不当な差別をなくし、人権が尊重される環境を作っていかねばなりません。
本学はいかなるハラスメントも容認しません。ハラスメントのない環境を確保し、大学としての責務を果たします。
もし、ハラスメントが発生した場合には、迅速かつ適正に対処し、その解決に取り組みます。
学長 上本 伸二
ハラスメントとは
セクシュアルハラスメント
行為者の意図を問わず、相手に不快な思いをさせたり不利益を与える性的な言動を指します。異性だけでなく同性や性的少数者に対する言動もセクハラになり得ることがあります。
たとえば…
- 食事やデートにしつこく誘う
- 性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙、Eメールを送り付ける
- 身体に不必要に接触する
- 聞くに耐えない卑猥な冗談を言う
- 性的な経験や性生活について質問する
- 性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象とする
など
パワーハラスメント
- 優越的な関係を背景とした言動であって、
- 必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
- 労働者の就業環境が害されるもの
をすべて満たすものを指します。
たとえば…
- 周囲も不快となるような大きな声で叱責、注意する
- 相手の評判を落とすようなことを言いふらす
- 「何もできないのだな」「文句があるならさっさと辞めろ」などと発言する
- 業務内容の説明・指示・相談が不十分またはあいまいであるにもかかわらず、成果が出ないことを叱責する
- 隔離、会議や研修に出席させない、仲間外し、挨拶をしないなど人間関係からの切り離しをする
など
※「優越的な関係」は、上司から部下(上級生から下級生)だけでなく、同僚間や部下から上司(同級生間や下級生から上級生)等でも成立する場合があります。
アカデミックハラスメント
大学の構成員が教育・研究上の優位性を背景に、相手に対して教育、研究または就学上の不利益や損害を与える言動を指します。
たとえば…
- 文献・図書や機器類を使わせないという手段で研究遂行を妨害する
- 理由を示さず単位を与えない
- 「結婚したら研究者としてやってはいけない」と言い、結婚と学問の二者択一を迫る
- 指導を求められても、理由なく指導をしようとしない
など
マタニティハラスメント
妊娠・出産・育児等を理由として、就業環境を害する言動または不利益を与える言動を指します。
たとえば…
- 妊娠の報告を受け、「他の人を雇うから辞めてもらいたい」などと発言する
- 「男のくせに育休を取るなんてありえない」などと発言する
など
アルコールハラスメント
飲酒を強要したり、飲酒の場で嫌がらせや迷惑行為など不適切な言動を行うことを指します。
たとえば…
- 「伝統」「通過儀礼」などといって、飲まざるをえない状況に追い込む
- 場を盛り上げるために、イッキ飲みや罰ゲームによる飲酒を強要する
- 酔っ払って(フリを含む)体を触る
- 恋愛経験や性体験についてしつこく質問する
- 性的な冗談を言う
など
フォトハラスメント
勝手に他人の写真(画像)を投稿することがハラスメントになることがあります。投稿する前には、発信してよい内容なのかどうか、慎重かつ十分に確認してください。
また、無断撮影という行為については、肖像権を侵害することになります。
※以上の事例は全てハラスメントになり得る言動ですが、実際には、個別の状況などを踏まえて判断されます。
その他のハラスメント
- モラルハラスメント
- ジェンダーハラスメント などがあります。
誰もが行為者・被害者にならないために
5つの心がけ
- お互いの人格を尊重し合いましょう
- お互いが大切なパートナーであるという意識を持ちましょう
- 相手を性的な関心の対象として見る意識をなくしましょう
- 異性・部下・下級生・異なる職種を劣ったものとして見る意識をなくしましょう
- 学内でハラスメント防止研修等が実施される際は、積極的に参加しましょう
3つの注意点
1.勝手な思い込みはやめましょう
- 自分では親しみを込めたり、ほめているつもりでも相手が不快に感じればハラスメントになることがあります。
- 「この程度のことは相手も許容するだろう」という勝手な憶測はやめましょう。「相手との良好な人間関係が出来ている」と勝手な思い込みはやめましょう。
- 上司、指導教員、先輩などからの言動には、立場上拒否の意思表示ができない人もいます。それを同意・合意と勘違いしないことが大切です。
2.相手が嫌がることを繰り返さないようにしましょう
- 相手が拒否し、または、嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返してはいけません。
- ハラスメントに当たるような行為をしてしまった場合には、直ちに相手に謝罪するなど、相手との良好な関係の維持に真摯に努めましょう。
3.普段からコミュニケーションを整えましょう
- 普段から感じたことや意見を言い合ったり、伝えることのできる風通しのよい環境づくりを意識しましょう。
もしハラスメントと感じたら...
あきらめないでください
- 勇気をもって、相手に「不快であること」を伝え、拒否しましょう。ただし、それが言えなくてもあなたの落ち度とされることはありません。
- ひとりで我慢せず、周囲の人や相談窓口へ相談しましょう。
- 「いつ・どこで・誰から・どのようなことをされたか」を記録してください。
自分を責めてはいけません
- こちらに非があるかもしれないと悩んだり、嫌だと言えなかった自分を決して責めないでください。悪いのはあなたではないのです。
- ハラスメントはじっと耐えるだけでは解決しないことを認識し、勇気をもって誰かに相談しましょう。
ハラスメントを見かけたら
- 可能であれば、傍観せず、行為者に注意しましょう。
- 誰にも言えず、ひとりで悩んでいるかもしれません。気づいた場合は声をかけ、力になってあげてください。
- 相談窓口に行くようにすすめましょう。また、必要な場合には証人になってあげましょう。
- 悩んでいる人を責めたり、傷つけたりするといった二次加害に注意しましょう。
ハラスメント相談窓口
あなた自身がハラスメントの被害にあわれたり、誰かがハラスメントの被害を受けているところを目撃した場合は、ハラスメント相談窓口に相談してください。
ハラスメント相談窓口では、相談者のプライバシーは必ず守ります。相談者の許可なく相談内容を誰かに話したり、相談員が独断で動くことは絶対にありません。
また、相談することによって不利益を受けることはありませんので、安心して相談してください。
学外の窓口(委託先:ティーペック(株))
<受付時間>
電話相談:月・水・金・土・日 10:00~21:00 、火・木 10:00~22:00(祝日・12/31~1/3除く)
Web相談:24時間・年中無休(返信は数日を要します)
<注意事項>
・相談者が大学への報告を希望した場合は、人権問題委員会委員長及び総務企画課の担当者(総務企画課長、総務企画課課長補佐(総務担当)、総務企画課総務係長)へ別途報告書が提出されます。報告を希望しない場合は、相談件数のみが定期的に大学に報告されます。
・ティーペック(株)において、事実認定や問題解決のための関係者に対する事情聴取・交渉等は行われません。
学内の窓口
相談窓口Q&A
A.あなたの同意なく、誰かに相談内容を伝えることは絶対にありません。相談の内容によっては、相談者の了解を得てから、必要に応じ行為者から事情を聴くことがありますが、事情を聴く際は「報復の禁止」について十分に説明し、もし報復行為があった場合は、大学として適切な対応を取ります。