ニューノーマル環境の中で、サスティナブルでアトラクティブな活動を推進します
令和3年4月1日
国立大学法人滋賀医科大学長 上本伸二
新型コロナウイルス感染症が拡大する中での生活が1年を過ぎました。戸惑いながらスタートしたオンライン教育体制の整備、重症・中等症感染患者の受け入れとPCR検査体制の整備、事務職員のテレワーク推進などの対応は、皆さんのご協力のおかげで順調に進めることができました。令和3年度は、コロナ禍でのニューノーマル生活の継続とさらなる進化を期待しております。
令和3年度は、第3期中期目標・中期計画期間の最終年度です。令和元年度までの4年間の成果をもって令和2年度に文部科学省や大学改革支援・学位授与機構による4年目終了時評価を受けており、まだ最終的な結果は届いていないものの、おおむね良好な評価を受けている感触を持っております。今年度も第3期の計画を継続して遂行してまいりますが、同時に第4期中期目標・計画に繋がる取り組みとして、大学・附属病院の施設及び設備の整備、並びに外部資金の獲得を積極的に行っていきたいと考えております。
さて、本学においては、築30年を超える老朽化した施設もあり、また医療設備についても耐用年数を超えたものがあります。特に医療設備については、万が一不具合が発生した場合、安全な医療を提供することが困難な状況となります。施設と設備のマスタープランを再構築するとともに、迅速な対応を行い、サスティナブルな環境整備を推進します。
また、研究について、本学の重点研究領域である神経難病研究センター、動物生命科学研究センター、先端がん研究センター、NCD疫学研究センターにおける特色ある研究の更なる推進が大切ですが、同時に幅広い領域での研究活動を活性化する必要があり、特に若手研究者の育成と支援が、将来の本学の発展に大切です。全体の研究活性化の流れの中で、外部資金獲得量を増加させるとともに、産学連携研究を推進します。外部資金の獲得に伴い増加する間接経費は、大学の教育研究環境の改善に使用できるため、運営費交付金が増えない現在の環境において、大学の経営面でのサスティナビリティに不可欠であると考えております。
ところで教職員の皆さんにとって、良い職場環境とはどのようなものでしょうか。モチベーションが高まり教職員同士がコミュニケーションを楽しめる環境、つまり魅力的(アトラクティブ)な職場であり、そのための基盤は組織の透明性と教職員間の信頼関係であると考えています。昨年度から始まったガバナンス・コードのホームページ上での公開は、組織の透明化促進の一環ですが、日常業務において大切なのはお互いの説明責任であり、透明性と信頼関係は不可分の存在であると思います。また、透明性と信頼関係は、コンプライアンス遵守とハラスメント防止のための組織的基盤ではないでしょうか。アトラクティブな環境の中で、皆さんには日々の業務の遂行と業務の効率化、新しいアイデアへのチャレンジに取り組まれることを期待しております。