ニューノーマル環境の中で、サステナブルでアトラクティブな活動を推進します
-第4期中期目標・中期計画の開始にあたって-
令和4年4月1日
滋賀医科大学長 上本伸二
新型コロナウイルス感染症が拡大する中での生活が2年を過ぎました。昨年度中にはアフターコロナの世界を迎えられると期待していましたが、残念ながらいまだにウィズコロナの世界が続いています。やはりこの新型コロナウイルスは、われわれがこれまで経験したことが無い手強いウイルスなのでしょう。感染防止対策、ワクチン接種、重症化予防処置を継続して行いながら、ニューノーマルな環境の中でウィズコロナの生活の質を上げながらこの時期を乗り切りたいと思います。
本年度から第4期中期目標・中期計画が始まります。第4期は「サステナブルでアトラクティブな滋賀医科大学」をキーワードにして取り組んでまいります。サステナビリティの対象とするのは、①人材育成、②財政と③施設・設備の3つです。①人材育成のサステナビリティは、さらに地域医療のサステナビリティ、教育のサステナビリティ、研究のサステナビリティに繋がりますが、最重要の課題としては、医学系での専攻医のリクルート推進と看護学系での大学院生の確保が挙げられます。多くの専攻医をリクルートすることが大学病院を含む地域医療の発展、さらには優秀な大学院生を擁しての研究の発展に繋がっていきます。教職員をはじめ、関係者の皆さんの努力により、平成30(2018)年度から開始された新専門医制度下の専攻医リクルートは順調です。今年度も64名の専攻医を迎えており、明るい将来が期待されます。本学の看護学教育が目指すものは、滋賀県の医療をリードする指導的立場の看護師の人材育成であり、大学院教育がますます重要となります。今年度は順調に大学院修士課程(看護学専攻)に多くの入学者を迎えることができ、引き続き看護学指導者の育成に邁進してまいります。
②財政のサステナビリティのためには、附属病院の経営と外部資金獲得が重要です。コロナ禍ではありますが、附属病院の経営は順調であり、これは皆さんの活発な診療活動に支えられています。また、科研費をはじめとする外部資金獲得も順調であり、今年度からは複数の共同研究講座も設置しました。外部資金獲得は研究の活発化だけでなく、間接経費を用いた大学全体の財政に大きく貢献しています。この財政のサステナビリティの上に積極的な申請で獲得した国からの補助金を加えて、老朽化した施設の改修と設備のアップデートを推進することで、③施設・設備のサステナビリティを向上していきます。
アトラクティブ(魅力的)な職場にするためには、まずは将来の見通しが明るくなるように、前述のとおりサステナブルな環境づくりが不可欠であるとともに、組織の透明性の確保・向上の推進も重要です。透明性は、組織を構成する教職員が相互に説明責任を果たすことで機能するようになり、これがうまくいくと教職員間の良好な信頼関係が成立します。そして、良好な信頼関係がコンプライアンス遵守とハラスメント防止に繋がっていくものであると考えます。
アトラクティブな環境の中で、教職員の皆さんが日々の業務を遂行しながら、積極的に新しいアイディアを創造し、その具現化に向けて果敢にチャレンジされることを期待します。