第47回滋賀医科大学解剖体慰霊法要を実施しました。
令和6年6月1日(土)に比叡山延暦寺阿弥陀堂等において、ご遺族、しゃくなげ会会員、来賓、学生、教職員合わせて200余名が参列し、第47回滋賀医科大学解剖体納骨慰霊法要・納骨式を執り行いました。
はじめに、上本学長から35柱の御霊及びご遺族に対し、「人体の複雑な構造を正確に理解するためには書物による学習だけでは不十分であり、ご遺体を解剖させていただくことが不可欠であります。解剖学実習を通じて、学生は自らの目と手で人体の構造を細部にわたって確認することによって、人体の複雑さと精巧さを学習するとともに、内臓や血管・神経などの構造が一人一人違うということを理解いたします。近年、臨床医学において詳細な画像診断法や内視鏡手術、さらにはロボット手術が進歩していますが、正しい画像診断や精度の高い手術を行う上で、臓器や血管などの三次元的構造を熟知していることが必須であります。そうした臨床医学の教育においてもご遺体を解剖させていただき、学ぶことが極めて重要であります。引き続き優れた医療人を育成し、医学と医療の充実・向上と健康社会の実現に貢献できるよう、全員が精進し続けることをここにお誓い申し上げます。」と慰霊と感謝の意が述べられました。
次に、学生代表から、「解剖実習では、生きた解剖学の知識だけではなく、生命と向き合う姿勢や生命の尊厳を、班員との協力の下で多く学ばせていただくことができました。私自身のことで言いますと、解剖実習を通してはじめて、自分は医学生なのだという自覚が芽生えたものと思います。私を医学生にしてくださったこと、感謝の念に堪えません。」と慰霊の詞が述べられ、感謝の意と故人のご冥福をお祈りしました。
続いて、学長からご遺族代表に、故人(献体者)に対する文部科学大臣の感謝状をお渡しし、担当の学生からご遺族に返骨を行いました。
法要後は、比叡山横川の大学霊安墓地において納骨式を執り行い、分骨いただいたご遺骨を納骨堂に安置しました。