本学神経難病研究センターチームが、第5回滋賀テックプラングランプリで「京セラ賞」を受賞
7月4日に開催された滋賀発成長産業発掘・育成コンソーシアム主催の第5回滋賀テックプラングランプリ最終選考会において、本学神経難病研究センターの椎野顯彦准教授が率いるチーム名「ジークフリート」が、「京セラ賞」を受賞しました。
この催しは、県内に拠点を置く大学や企業等から、モノづくり等の分野に関連したビジネスシーズを発掘し事業プランに繋ごうとするため開かれたもので、今回27件のエントリーからファイナリスト9チームに選ばれ、本受賞に至りました。
椎野准教授のチームは、「医療情報やパスワードなどを一括管理するAIドクター」でエントリーしました。既に、脳のMR画像から認知症を診断し、さらに認知症になることを予測するAIを開発してBAADというソフト名で無償配布していましたが、今後もこのような医療系AIの技術をさらに発展させる予定です。
今回の受賞では、医療情報を自己管理するAIドクターであるジークフリートモデルを提案しています。現在、患者様の医療情報は受診された医療機関ごとにカルテとして保存されていますが、これは永久に保存されるとは限りません。そこで、生まれたときから生涯にわたって医療情報をスマホで効率よく管理するシステムを考案しました。このシステムは電子カルテのベンダーに影響されないため、どこの医療期間を受診しても、患者側から医療機関へ、医療機関から患者側へデータの交換がスムーズにできます。例えば、既往歴や生活習慣、内服薬やこれまでの検査内容などが情報交換されます。
さらに日々の生活の中で、たとえば突然の頭痛などが起きた場合、スマホの中のAIドクターであるジークフリートに相談すると、問診の中から可能性のある疾患を推定して、これまでの医療履歴なども考慮して、最適な医療機関を検索します。将来は、医療機関の予約サービスなどIoTの技術も活用する予定です。
表彰されるチーム「ジークフリート」 右から椎野准教授、椎野崇史氏、岩成英一氏、1人おいて、谷垣健二 滋賀県立総合病院研究所・専門研究員、岩本祐太郎 立命館大学情報理工学部・助教