アフターコロナを見据えた環境の中で、サステナブルでアトラクティブな活動を推進します。
令和5年4月1日
国立大学法人滋賀医科大学長 上本 伸二
新型コロナウイルス感染症の第8波がほぼ終息し、本年5月8日から当該感染症は、感染症法上の第5類に分類されることとなりました。社会一般においては、新型コロナウイルス感染症をインフルエンザと同等に扱うこととなりますが、新型コロナウイルスの感染状況が今後、どのように推移するかは不明です。学内での新型コロナウイルス感染症に対する感染拡大防止対策や附属病院における病床確保体制は、全国の感染状況や政府の方針を参考にしながら変更することとなりますので、学生・教職員の皆さまにおかれては、附属病院を有する医科大学の構成員として、引き続き慎重な対応に努めてくださいますよう、お願いいたします。
さて、今年度は第4期中期目標・中期計画期間の2年目に入りますが、「サステナブルでアトラクティブな滋賀医科大学」のキーワードに則って、(1)人材育成のサステナビリティ、(2)財政のサステナビリティ、(3)施設と設備のサステナビリティを推進して参ります。
まず、(1)人材育成のサステナビリティについては、将来の本学と滋賀県の医療を牽引する専攻医のリクルートと看護学専攻大学院生の確保を具体的な目標として掲げていますが、引き続き順調な成果が望めるように、各診療科の活発な活動、学部教育と大学院教育の充実、卒後教育のさらなる質向上をお願いいたします。なお、本学では現在、看護学に係る研究の充実と高度人材育成を推進していくために、看護学専攻博士後期課程の設置を目指して準備を進めております。一方、昨年度に発生した医学部医学科学生の逮捕事件を受け、本学は学部学生に対する倫理教育及び社会規範遵守教育、並びにハラスメント防止研修の推進に取り組んでいます。教職員の皆さまにおかれましても、学生のよき手本となることも念頭に、ハラスメントの根絶やコンプライアンス遵守を推進する行動をお願いいたします。
次いで、(2)財政のサステナビリティについては、ここ数年、安定した状況にありましたが、昨今の国際情勢の不安定化に起因する継続的な物価高騰は、大きな不安材料となっています。特に、光熱水費は2年前と比べて2倍近くに高騰している状況ですので、社会・経済の情勢や政府の対応を注視しながら、今年度の当初予算の執行は緊縮策を基本とし、開始いたします。しかし、このような厳しい状況ではありますが、教育と研究は本学の核心ですので、教育支援プログラムと研究支援プログラムは例年どおり実施いたします。同様に、(3)施設と設備のサステナビリティについても、必要最小限から開始して、状況の推移をみながら拡大していく予定です。
アトラクティブな学びの場・職場とは、サステナブルな組織に所属しているという安心感があることに加え、組織の透明性の確保、コンプライアンスの遵守、ダイバーシティの尊重が機能している場であると考えます。学生・教職員の皆さまにおかれては、アトラクティブな学びの場・職場を維持しながら、高いモチベーションを持ち、良好なコミュニケーションを駆使して、「サステナブルでアトラクティブな滋賀医科大学」の実現に向けて、日々の学業・業務に励んでください。