日程
2023.03.10

研究医養成コース修了式を実施しました

2023年3月10日(金)に「滋賀医科大学 研究医養成コース修了式」を挙行し、以下の3名の学生が修了証書を授与されました。

・医学科 第6学年 中村 優月 (生命科学講座(生物学)) 
・医学科 第5学年 松井 温哉 (生命科学講座(物理学))
・医学科 第5学年 椿  遥花 (創発的研究センター国際共同研究部門)

【研究医養成コースとは?】

本学は平成23年度から研究医枠での入学定員の増員を申請、平成24年度には文部科学省GP「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」のモデル事業へも積極的に応募し、いずれも選定されました。GP期間終了後は、大学独自の取組「研究医養成コース」として「入門研究医コース」・「登録研究医コース」を通じて科学的探究心の涵養を特に重視した教育を行ってきました。
2021年度、研究医養成コースは、学部教育部門研究医養成検討専門委員会の下、【医学・医療の発展のための医学研究の必要性を十分に理解し、批判的思考も身につけながら、学術・研究活動に関与する】ことを目的としてアウトカムを設定し、また、学部在学中に一定の要件を満たすことでアウトカムを達成したことを認定するため、「研究医養成コース」の修了証を交付することとして大幅な教育課程の改訂を行いました。
昨年度に引き続き、3名の学生が本コースにおいて医学に関する学術・研究活動に従事する能力を身につけたことを認められました。

◆研究医養成コースの概要はHPから! https://www.shiga-med.ac.jp/education-and-support/education/research-doctor-course

【修了生の声 ➀中村 優月】

私が研究医養成コースに登録したのは、将来は臨床医として働くつもりで大学に入学したので、「学生時代に研究活動を経験しておきたい」という思いがあったためです。
生物学の研究室に所属し、初めは何も分からない状態で活動を始めましたが、先生方が免疫学や実験の基礎から全て教えてくださいました。低学年の頃は、毎日のように授業終了後夜遅くまで実験をして、できるだけ早く腕を上げられるようにしていましたが、先生方もそれに付き合ってくださり、そのお陰で早くから結果を出すことができました。また、発表の機会も度々いただき、そこで研究内容をブラッシュアップでき、さらに人前での発表にも慣れていくことができたと思います。
研究は膨大な時間が必要になるため、他のこともしようとすると大変忙しくはなりますが、それ以上の経験を得ることができたため、研究医養成コースに入って本当によかったと思います。

【修了生の声 ②松井 温哉】

研究はクレバーで向上心ある人たちの専売特許であり、自分には縁が無いと思っていました。 それでも研究室に所属したのは、大学内に精神的かつ身体的な居場所を探していたからです。扉が常に開いている自由な雰囲気の物理学講座を、なんとなく選びました。そして、お世話になる分少しは恩返しをしようと、1年次から研究活動を開始しました。
最初の1年半は医工連携に関するIoTデバイスとヘルスケアの融合を模索し、ビジネスコンテストでのポスター賞や特許取得、産学連携推進事業で短期オタワ大学研修を経験しました。これらの活動を通して、文章作成能力や情報処理能力、表現力など汎用性の高いスキルを身につけました。3年次から、現在も取り組んでいるアルツハイマー型認知症に関与するAmyloid-βペプチドのナノ工学/分光法を用いた研究に従事しています。SUMSシンポジウム学生優秀賞、国際学会ポスター参加、そして原著論文発表と、主体的に自由に研究活動をしてきました。一連の成果は所属する物理学講座、共同研究の神経難病センターの皆さまのご指導ご鞭撻のおかげさまです。この場をお借りしてお礼申し上げます。
後輩の皆さまへ、ぜひ気軽に研究活動に触れてみて下さい。冒頭に記した「研究は優秀な方の専売特許」というイメージを、素行がスマートとは言えない私自身が覆すことができたと自負しております。研究の醍醐味の一例を挙げるならば、新しいモノ、コト、人、特に人とのつながりではないでしょうか。他のラボの学生さんや院生の皆さまとの交流、研究医養成コースの先生方を始め教員の皆さまから頂く激励や助言は、研究室の垣根を越えて日に日に増えていきます。何気ない時に声をかけて頂くことは本当に嬉しく、大学の温かみを直で触れる瞬間です。一緒に修了した中村先輩、椿さんともよく研究の話をしてきました。ぜひこの経験を共有したいです。

【修了生の声 ➂椿  遥花】

滋賀医科大学の研究医養成コースを知るきっかけになったのは、大学受験用のパンフレットでした。私は、大学生になったら何か一つのことを一生懸命やってみたいと考え、入学してすぐに学内のラボツアーに参加しました。そして、その時に当時神経難病研究センター神経診断治療学部門で教授をされていた遠山育夫先生に出会い、当部門に研究生として登録させていただきました。
それから、ここで先生方の手厚い指導を受けながら、ピペットの使い方といった基本的な手技から、組織の染色方法やタンパク質の定量方法など、基礎研究に必要な様々な手技を学びました。また、3年生のときに、国際共同研究部門のDouglas G. Walker先生と出会い、一つの研究テーマに関して継続的に研究を行い、実験データをまとめて、英語論文を書くという機会をいただきました。さらに、学内や学外で研究発表をする機会もいただいたことで、自分の研究を他の人に発表する難しさも学びました。
研究医養成コースを通じて、基礎研究に必要な知識や技術だけでなく、論理的な思考力やプレゼンテーション能力を高めることも出来たように思います。また、英語の論文にも慣れることができ、海外からの大学院生と英語で話す機会にも恵まれました。研究室で過ごした約5年間はとても楽しく、私にとってかけがえのない時間となりました。
研究医養成コースに入るか悩んでいる方もおられると思います。基礎研究に興味があれば、ぜひ一度、研究室の扉をたたいてみてください。

研究医養成コース修了式の様子
研究医養成コース修了式の様子
左から、上本学長、中村氏、平田教授(指導教員)
左から、上本学長、中村氏、平田教授(指導教員)
左から、上本学長、松井氏、目良教授(指導教員)
左から、上本学長、松井氏、目良教授(指導教員)
左から、上本学長、椿氏、遠山理事(指導教員)
左から、上本学長、椿氏、遠山理事(指導教員)