日程
2022.12.23
「人工血管用材料(ePTFE)を使用することで屈曲性能を大幅に向上させた先端可動カテーテルを発売―医療用軟性機器の共同研究開発成果―」に関する記者説明会を開催しました
滋賀医科大学の革新的医療機器・システム研究開発講座(谷 徹特任教授)と内科学講座消化器内科(安藤 朗教授)は、日本ゼオン株式会社との共同研究において、人工血管用材料(ePTFE)を使用することで屈曲性能を大幅に向上させた先端可動カテーテルを開発しました。
この研究成果を採用した内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)検査用のゼメックス先端可動カニューレ(KC226)が、12月にゼオンメディカル株式会社から発売されました。
本件について、令和4年12月23日(金)、山田 篤史特任准教授と稲富 理准教授、日本ゼオン株式会社米道 渉研究員から、報道機関に対し、記者説明会をオンラインにて開催しました。 オンライン記者説明会では、研究の背景や詳細、結論などを動画や図を用いて説明が行われました。
本件の詳細(プレスリリース)
https://www.shiga-med.ac.jp/sites/default/files/2022-12/1213_press.pdf
POINT
- 革新的医療機器・システム研究開発講座の山田 篤史特任准教授が主導して、日本ゼオン株式会社の米道 渉研究員、内科学講座消化器内科の稲富 理准教授とともに新規可動屈曲構造を開発した。
- フッ素樹脂(PTFE)性チューブの先端部を継ぎ目なく連続的にePTFEに加工し、先端部を可動屈曲させるワイヤをループ状に配線した簡便な構造を採用。
- 従来製品と比較して、最大屈曲角度が±90度(最大3倍)で、約50%小さく曲がり、耐久性と安全性を向上させた先端の可動部を実現した。
- 先行して実施したERCP検査では、複雑な胆管分枝に対して、競合製品では難しかった複数の分枝への挿入を2, 3分で完遂するなど、患者および術者の負担軽減が期待できる効果を確認した。
- 医科大学と企業との緊密な産学連携と、臨床医が技術開発に積極的に参加した大学内の医工連携が効果的に機能した。