日程
2021.02.15
「今年の春の花粉症は?-小児から若年層に激増するスギ・ヒノキ花粉症とその対応について-」に関する記者説明会を開催しました。
今年も春の花粉症の季節が近づいてきました。スギ・ヒノキ花粉症の患者さんは、過去20年間に急増し、現在10~50歳代の日本人の2人に1人が罹患し、特に5~30歳の小児から若年層で著しく増加しています。
滋賀医科大学耳鼻咽喉科学講座では、1999年から継続してスギ・ヒノキ花粉飛散数を測定し、ホームページで公開して翌年の花粉飛散予測を行ってきました。
花粉症の治癒が期待できる唯一の治療法として、2014 年からスギ花粉、2015年からダニによる舌下免疫療法が開始され、2018年にその適応が小児にも拡大されました。
令和3年2月15日(月)、耳鼻咽喉科学講座 清水教授から報道機関に対して、これまでの研究からの知見による滋賀県の令和3年スギ花粉飛散予測や治療法の説明を行いました。
- 2020年のスギ花粉飛散は、予測通り例年を大きく下回る少量飛散でした。2021年も過去の飛散状況と昨年夏の天候から、例年より少ない少量飛散と予測しています。
- スギ花粉症の患者さんの 70~80%は、ヒノキ花粉症も有し、京滋地域では、スギ花粉は 2 月下旬から 4 月中旬、ヒノキ花粉は 3 月下旬から 5 月初旬まで飛散します。ヒノキは西日本で多く、関西ではヒノキ花粉飛散数がスギ花粉飛散数を上回っています。
- スギ花粉舌下免疫療法のヒノキ花粉症に対する効果は50%程度に過ぎませんが、ヒノキ花粉の舌下免疫療法は未開発です。
- 舌下免疫療法の新しい取り組みとして、スギ花粉とダニの併用舌下免疫療法を確立し、2018年から適応拡大された小児の舌下免疫療法の有効性と安全性を確認しています。
本件の詳細(プレスリリース):https://www.shiga-med.ac.jp/sites/default/files/2021-02/20210215pressrelease_0.pdf